ごあいさつ

新宮高等学校 開校のご挨拶 <開校記念式典 校長式辞 より>
本日ここに、和歌山県知事 宮﨑泉 様、和歌山県議会文教委員会委員長 小川浩樹 様、新宮市 市長 上田勝之 様、和歌山県及び地元各市町村の議会、教育委員会、学校等関係者の方々、新宮・新翔両高等学校関係者をはじめ、多くのご来賓の皆様のご臨席を賜り、和歌山県立新宮高等学校の開校記念式典を挙行できますこと、心より感謝申し上げます。
只今、和歌山県教育委員会教育長より新宮高等学校の校旗を拝受いたしました。その重みから、生徒の皆さんや保護者・地域の皆様はもとより、多くの方々からの本校への期待の大きさと、我々教職員に課せられた責務の重さを感じ、改めて身の引き締まる思いです。
これまで本校の開校に向けて、地元地域において、ご支援、ご協力いただきました新宮・新翔両高等学校の学校運営協議会、同窓会、振学会、育友会の皆様、地元各市町村の行政、教育委員会、学校等の皆様、その他、お世話になりました各方面全ての関係者の方々に対し、心よりお礼を申し上げます。
そして何より、統合に向けて、実際の膨大な準備作業を担い、新しい学校づくりにチームとして取り組んできた両校の教職員には、敬意と感謝の気持ちでいっぱいであります。
さて、これまで和歌山県が行ってきた再編整備は、県が個々の具体案を発表し、県民の意見を募集する形で実施されてきましたが、今回の統合は、具体案を作成していく段階で、地域からの意見を聞き、それを具体案に反映させていく方針のもとで行われました。この方針は、県が令和四年三月に策定した「県立高等学校教育の充実と再編整備に係る原則と指針」で示され、その方針のもと、県下で初めて行われた再編整備となりました。
統合校の在り方を構想していく段階で、多くの説明会や協議会を開催し、活発な意見交換や多様な意見を踏まえた検討を重ね、県教育委員会との調整のもとで、統合校の形が固まってきました。設置する課程や学科、校舎の活用は、地域説明会や再編整備協議会での意見をもとに原案が作成され、校名は両校による公募をもとに原案を決定、校歌を引継ぐことも両校で決定しました。また、スクール・ポリシーや教育課程は校内に設置した検討部会が、制服・校章は両校の生徒・教職員で作るプロジェクトチームが原案を制作しました。
新しく誕生する新宮高等学校は、地域唯一の公立高校であり、地域のほとんどの生徒が通う学校になります。地域で育った子供たちが、自分の興味・関心や適性に合わせて学ぶ場があるように、多様な学びの機会を用意する必要がありました。
単に二校にあるものを合わせるだけでなく、高等学校制度に定める課程のすべて、全日制・定時制・通信制の三課程を設置し、全日制にはタイプの違う三つの学科を置くなど、充実を図りました。これだけ多くの課程・学科を備えた高校は全国でも珍しく、「地域を支える六つのカテゴリーの学び」と呼ぶとともに、「ALL IN ONEの学校」とも表現しています。
新宮高等学校の歴史は、一九〇一年創立の新宮中学に遡ります。一方、新翔高等学校は一九一七年に開校した新宮町立実業学校の流れを汲んでいます。この両校は一〇〇年余りの歴史の中で、一九四八年から六二年の十五年間、新宮高等学校の名で一つの高校として歩んだ時代もありましたが、高校入学者の急増により、新高キャンパスに収容しきれなくなったことから、一九六三年(昭和三八年)に商業科が新宮商業高等学校として分離独立しました。その時から六〇年余り、別の高校として地域の公教育を担ってきた両校も、規模が縮小する中で、再び一つの活力ある公立高校をめざして、歩み始めることとなりました。
このような歴史を踏まえて統合校に課せられることは、「伝統の継承と充実・発展」です。それぞれ得意とする分野の教育実践に加え、多くの有為な人材を輩出してきた校風や教育、「文武両道」の精神などは、確実に継承していきます。一方、社会は大きな変革期にあり、教育に求められるニーズも多様化していることから、定時制昼間部や通信制、学彩探究科の新設を象徴とする、教育内容や教育システムの充実・発展への取組は、持続可能な高校としてこの地域に存在し続けるために、統合後も継続して取り組んでいかなければなりません。
開校を迎えた新しい新宮高等学校は、これまで新宮高等学校と新翔高等学校がこの地域で果たしてきた大きな役割と、それぞれに築き上げてきた歴史と伝統、教育実践の積み重ねをしっかりと引き継ぎながら、充実・発展させ、地域に信頼され、安心して通うことのできる学校をめざして邁進してまいります。
結びになりますが、統合に向けて、ご理解とご尽力を賜りました多くの皆様に、重ねて心より感謝申し上げ、式辞といたします。
令和八年四月七日
和歌山県立新宮高等学校長 下村史郎